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2017年10月

リヒテルと私 / 河島みどり

リヒテルの側に29年いた著者のリヒテル伝。
ピアノの巨匠として最初に名前を覚えたリヒテルだが、やはりピアノは自己表現の1つの手段でしかなく、この人は他の表現者になっても名を残しただろうと思う。
日本と日本人を愛し、欧州でもヤマハの調律師を多用した事は知らなかった。当時ヤマハにいた物凄く優秀な調律師と出会ったのも僥倖だった。
演奏を聴いたお客様が満足しているのに、自分自身は厳しい評価で、巨匠と呼ばれながらも一人で長時間の練習をする、コンサートには恐怖とも言える緊張で臨むといった楽屋裏を知って改めて尊敬する。

 

あきない世傳 金と銀〈3〉奔流篇 / 髙田 郁

江戸中期、大阪の呉服屋ストーリー第3集。
幸が近江の登せ糸から絹織を思いつくが、旦那の横暴で産地との信頼が揺らぐ。
浜ちりめんが生まれる話になるのでしょう、歴史的にもこれは全国に広まるので大きな事業になっていくのは間違いない。
反物の顧客には至れり尽くせりの主人が、仕入れ先に対しては力づくで対処しようとして対立する。
いつの時代もあることだが、力だけで支配されるサプライヤーは表面上従順だが、常に内心は反撃のチャンスを狙っている。
長く商いを続けるには仕入れ先にも本心からの敬意が必要だけど、時として、あるいは立場によってこれを忘れる人は多い。

 

ビブリア古書堂の事件手帖7 / 三上 延